水上人形劇の見どころ
かわいらしい水上人形劇
伝統音楽の音色とともに、コミカルに動き出す愛らしい人形達。演者は水中に隠された仕掛けだけを使って、巧みにこの水上人形たちを操ります。
その躍動感あふれる動きやユーモラスな表情はまるで生きている様にリアル。田植えをしたり、ボートレースをしたり、仙女の舞を踊ったり。本物の北部の農民や少数民族たちが、自然とともに暮らす生活の中での生の喜び感じるように生き生きとしています。
水上人形たちのコミカル動きはもちろん、水や火を使った迫力重視の大胆な演出もベトナムならではの仕掛けです!可愛らしい人形たちが描く世界観は、子どもから大人まで楽しめる人形劇です。
言葉がわからなくても楽しめるストーリー
人形劇は全部で約17話のショートストーリーで構成されています。1話あたり約5分ほど。
伝統楽器の演奏と民謡とともに、仙女が華麗に舞い踊り、子供が水牛に乗って飛び跳ね、龍が火を噴く!次から次へと、息をつかせないように場面が変わって、観客たちは次第に物語の世界にのめりこんでしまいます。
物語の内容はハノイ黎王朝の伝説に始まり、明るく生きる農民の生活から華麗な宮廷舞踊、少数民族の求愛物語まで、様々なストーリーが面白おかしく描かれており、言葉が分からなくても見ているだけで楽しめます!
ベトナム伝統楽器
伝統楽器による生演奏や民謡は人形劇を盛り上げる上で欠かせません。
壇上の左右には、語りや効果音演出のため楽団が伝統楽器を奏でたり、心地よい民謡を歌ったり、人形の声を担当して舞台に彩りを添えてくれます。
中華文化を起源とする伝統楽器は、日本にも伝わる雅楽とも通じるものがあります。ときに朗らかに、ときに激しい曲調を奏でる情緒豊かな伝統音楽の音色は、国境を越えて私たちの心の琴線に優しく触れます。
人形劇の歴史を知ろう
水上人形劇の歴史は古く、今から千年近く前から存在していました。
最初は12世紀の北部の農村たちが、収穫の祭りの時などに池や湖を舞台に上演していた演劇が水上人形劇の始まりです。各村ごとに少しずつ演目や演技法が異なっており、その方法は門外不出で今も明かされていません。
やがてタンロン王朝時代には宮廷芸能とも融合し、王族から庶民までは幅広くベトナムの人々に愛される伝統芸能となりました。
近年ではヨーロッパやアジアをはじめ、世界各国での海外公演も行われています。現在までに20カ国以上の国と人々に人秒劇を公演し、世界各国から絶大な評価を受けています。