世界遺産ミーソン観光情報
世界遺産ミーソン遺跡
緑豊かな美しい自然とヒンドゥー遺跡が融合した神々しい景色が広がる世界遺産。
レリーフ画
ミーソン遺跡の壁面を飾るヒンドゥの女神像や、躍動感あふれる彫刻からは、古代チャム人の息吹が聞こえてきます。
チャンパ王国の聖地
聖山マハーパルヴァタの麓に佇む、古代チャム人たちの聖地。
ヒンドゥ寺院
今も遺跡に残る優れたレンガ造形のヒンドゥ寺院は、チャンパ王国の建築技術の高さを伺い知る事ができます。
アプサラダンス
シヴァ神に祈りをささげる天女たちのしなやかで多彩な舞に心が奪われます。
世界遺産ミーソン遺跡
四方をなだらかな山々に囲まれ、北には聖山マハーパルヴァタがそびえるミーソン遺跡。緑豊かな美しい自然とヒンドゥー遺跡が融合した神々しい景色が広がる世界遺産です。
ベトナム戦争時の空爆による破壊や、略奪、自然風化などで現在は草木に埋まっていますが、今も遺跡に残る優れたレンガ造形や精緻な彫刻、チャム語の碑文からは、いにしえの聖地の雰囲気を偲ばせます。
ミーソン遺跡への行き方・アクセス
行き方・アクセス
入り口からミーソン遺跡までは、
カート移動がおすすめ
ダナンから南へ約70キロ、車で約2時間の場所に位置する世界遺産ミーソン遺跡。ホイアンからも約40kmの場所に位置し、一度に2ヵ所の世界遺産を周遊するプランもおすすめ。
途中、舗装されていない道もあり揺れることもありますので、酔いやすい方は事前に酔い止めなどの持参をおすすめします。
駐車場・切符売り場からミーソン遺跡までは片道約2.5kmあります。山林動を歩くことも出来ますが、カートに乗ることも出来るため便利。カートで約5分の道のりで、揺れも少なく快適です。清潔なお手洗いは切符売り場付近にあるため、この場所でトイレを済ましておく事がおすすめです。
緑香る遊歩道を散策しましょう!
カート到着地から遺跡までは、5分ほど一本道を歩きます。緑生い茂る深い森林を歩いていると、本当にミーソン遺跡が自然に囲まれた特別な場所であったと実感できるはず。
森林浴がてら木漏れ日が差し込む静かな遊歩道を散策する事で、マイナスイオンを浴びてヒーリングで癒やされましょう。
ミーソン遺跡の見どころ
自然に埋もれた神秘的な遺跡(BCDエリア)
古代ヒンドゥー寺院が立ち並ぶ
ミーソン遺跡のハイライトスポット
ジャングルを抜けると、目の前にはチャンパ王国の聖地「ミーソン遺跡」が突如現れます。
ミーソン遺跡は4~13世紀にこの地を支配したチャンパ王国が、王と一体化したシヴァ神を祀るために建築された特別な場所です。
チャンパ王国歴代の王達が残したヒンドゥの神々を祀る宗教彫刻や祠堂、祭壇が建ち並び、凛とした神聖な空気が漂います。
ミーソン遺跡の見どころが1つが、特徴的な煉瓦づくりの建物です。
インド文化とヒンドゥ教の影響を色濃く受けたチャンパ王国は、高温多湿のベトナムの気候に適した焼成レンガによる宗教建築を生み出しました。
隙間なく積み上げることで強度を確保し、セメントや漆喰などの接着剤を使わずに積み上げられた高度な建築様式にチャンパ王国の高い建築技術の粋が見られます。
チャンパ王国について
ミーソン遺跡を築いたチャンパ王国とはどのような国だったのでしょうか。
海岸線沿いを中心に東西交易の要所を抑えたチャンパ王国は、ベトナム中部で2世紀~14世紀にかけて隆盛を極めていました。インド・クメール・ジャワとの海洋貿易を通じて、インド文化やヒンドゥ教の影響を強く受けた多彩なチャンパ文化を持っていた事が、遺跡の出土品からもわかります。
北部ベトナム王朝・南部クメールとの激戦の歴史の中で、王都を遷移してきたチャンパ王国の遺跡は、各地にその遺跡が残っています。12世紀にはかのアンコール王朝にまで攻め込み、首都アンコールワットを陥落させた記録まで残るほどの強大な力を誇示していました。
15世紀に首都ヴィジャヤが陥落し、チャンパ王国は滅亡しましたが、現在もベトナム国内には10万人ほどのチャム族の末裔が暮らしており、チャンパ王国の文化を今に伝承しています。
ミーソン遺跡の壁画に描かれた精緻な宗教レリーフ
800年の時空を超えて
今に伝わるチャム人の鼓動
祠堂の至るところにはヒンドゥー特有の躍動感あふれる精緻な彫刻レリーフや、チャンパ語での碑文が刻まれています。
インドをはじめ、ジャワやクメールとも文化交流があったチャンパ王国の遺跡だけあって、各地域から影響を受けたから独自のチャンパ美術や美しい装飾文様からは、当時のチャム人たちの息遣いが聞こえてきそうです。
残念ながらミーソン遺跡が発見された後、インドシナ戦争時の盗掘や盗難によって、またベトナム戦争時の空爆による破壊によって、現在は完全な形は残っていません。シヴァ神像や女神像のレリーフの中でも、顔が残っているのはごく一部のみです。
不完全な形で残るからこそ、在りし日のミーソン遺跡への情憧を思い浮かべざるをえません。
未発掘のミーソン遺跡(A・Gエリア)
神・自然・人のつながりを感じられる
ベトナム屈指の古代ヒンドゥ遺跡
ツアーではなかなか訪れないこちらのエリアにも、時間があれば足を運んで下さい。観光客も少なく、より静寂な空間でミーソン遺跡を見学することができます。
遠くには聖山マハーパルヴァタを背景に佇む遺跡の姿はとても神秘的。古代チャム文明の世界観を色濃く残したヒンドゥ遺跡に、神・自然・人のつながりを感じられる、ベトナム屈指のヒーリングスポットです。
ミーソン遺跡はまだ発掘途中であり、周囲は森林にまだ未発掘の遺跡が点在していると言われています。
近い将来、遺跡発掘や古代文字の研究が進むにつれて、謎に包まれた古代ミーソン遺跡の全貌が明らかになり、失われた王国の民・チャム族に関するま文化や歴史の真実が新しく解明される日が来るかもしれません。
発掘品の展示場
現代の建築技術でも解明できない
ロストテクノロジー
展示場内中にはチャム族が信仰するシヴァ神のレリーフや、子孫繁栄を願った男性器(リンガ)と女性器(ヨニ)の石像、米軍が落とした不発弾など、ミーソン遺跡発掘の際に見つかった綺麗な出土品が展示されています。
保存状態の良い出土品からは、ベトナム中部で隆盛を極めたチャンパ王国独自の宗教観や文化価値が垣間見え、異国情緒を感じることが出来ます。
チャム族によって建築された煉瓦は、今もその姿を崩すことなく残っています。この接着剤を使わずとも頑丈な強度を持つ建築技術は、現在の科学でも解明できないロストテクノロジーです。
「歴史舞台から消えた古代遺跡」ミーソン聖域は、チャンパ王国で独自に発達した高度な建築技術やチャンパ文字などの失われた古代チャム文明のテクノロジーを、今も静かに伝えているのかもしれません。
チャム族博物館~あわせて訪れたいチャンパ王国の博物館!~
チャム族の歴史・文化ををより詳しく知りたい方には、ダナン市内に位置するチャム族博物館の観光をおすすめします。チャンパ王国を打ち立てた古代チャム族の貴重な彫刻芸術品や石像が幅広く収蔵されています。
海洋国家として栄えたチャンパ王国ならではの国際色豊かな展示品が揃い、ミーソン遺跡についての造詣をより深く知る事が出来ます。
チャム民族舞踊
シヴァの神々に祈りを捧げる
魅惑の民族舞踊の世界
ミーソン遺跡では一日に4回、定期的な時間なると舞台でチャム族に伝わる民族舞踊や楽器演奏が行われ、運が良ければ鑑賞できます。
クメールとの交流があったチャンパ王国ならではの多彩な民族舞踊は、他のベトナムの地域ではあまり見ることが出来ず、チャンパ王国独特の文化圏を表しています。
数ある民族舞踊の中でも宮廷舞踊アプサラダンスは秀逸です。シヴァ神に祈りを捧げる天女に扮したクメール美女が、妖艶な踊りを舞います。
煌びやかな民族衣装に身を包んだ踊り子が壮麗な音楽にあわせて描く、洗練された麗しき天女の舞は息を呑むほどの美しさ。古代の王たちも酔いしれた、復活したアプサラダンスの世界をお楽しみください
「天女の舞」アプサラダンス
ミーソン遺跡にも描かれる神秘的な天女「アプサラ」。古代インドの抒情詩マハーバーラタにも描かれたアプサラは、やさしい微笑、妖艶な腰つき、ひらひらとたなびく腰布で、多くの王と人の心を癒やしてきました。
カンボジアを中心に東南アジアに広く伝わるアプサラダアンスは、その天女を模した魅惑の踊りです。ゆるやかに優雅な挙動、緩急をつけしなやかに動く手足、うっとりするような流し目。見ているだけでも心奪われる優雅な舞です。
ミーソン遺跡を背景に舞い踊られるアプサラダンス。時を超えて蘇った天女の美しい姿に、ぜひ酔いしれて下さい。
基本情報・注意事項
- 住所
- My Son, Duy Xuyen, Quang Nam
- 行き方
- ダナン市内から車で約2時間
- 営業時間
- 6:00~17:00(季節による)
- 休日
- 無休(雨のため見学不可になる場合あり)
- 見学所要時間
- 1時間~2時間
- チャム民族舞踊
- 1日4回(9:15、10:45、14:00、15:30)
- 観光シーズン
- 2~7月(乾季)
雨もあまり降らず、散策するのによいシーズン。2~4月は平均気温が30℃程度の比較的穏やかな気温、5~8月には平均気温35℃の酷暑となります。
日差しが強いため、日陰の少ないミーソン遺跡では、日焼け止めクリームやサングラス、帽子などの日焼け防止グッズは必須です。
8月~2月(雨季)
一時的にスコールのような雨が降りますが、平均気温は20℃~25℃と下がって遺跡観光には最適なシーズンとなります。
少し肌寒いこともありますので上着を持参することがおすすめ。急な雨に折りたたみ傘があると便利です。
雨によって草木に緑が茂り、遺跡が美しく映えるのもこの季節。足元はぬかるむため、動きやすい靴での参加が必須です。
- 遺跡観光時の服装
- ヒンドゥ教にとっての聖域であるため、露出が多すぎる服装は避けましょう。
遺跡内は歩く事が多く、また足場が悪い場所もあるためサンダル、スニーカーなどの汚れても良い歩きやすい靴、かばんも両手が使えるリュックが好ましいです。
- 遺跡観光時の注意
- 遺跡は現在風化が進んでおり、修復中の箇所が多数あります。むやみに触れると遺跡を崩すことになってしまうため、触らないようにしましょう。
- 持参したほうが良いもの
- 草木が茂っているため、蚊などの虫が発生しています。虫除けスプレーや虫刺されを持参することがが好ましいです。