古代インドネシア王朝へのタイムスリップ
バリ島から飛行機で約70分。
ジョグジャカルタは古代から華麗な王朝文化が花開いた伝統ある古都。ボロブドゥールとプランバナン遺跡という2つの世界遺産を始め、歴史的にも考古学的にも数々の遺跡が残されているインドネシア随一の観光都市。
バリ島から飛行機で約70分。
ジョグジャカルタは古代から華麗な王朝文化が花開いた伝統ある古都。ボロブドゥールとプランバナン遺跡という2つの世界遺産を始め、歴史的にも考古学的にも数々の遺跡が残されているインドネシア随一の観光都市。
世界最大級の仏教寺院ボロブドゥールは、1800年にイギリスの冒険家が発見するまで、約千年もの間、密林の中に埋もれ、その姿を歴史の表舞台から消しました。
何のたのに建てられたのか?なぜ滅びたのか?なぜ歴史上から忘れられていたのか?今なお多くの謎が残ってる遺跡です。
神秘に包まれたボロブドゥールへの旅は、まさに幻想とロマンへの冒険です。
ボロブドゥールは1辺が120m、高さ30mの正方形をした世界最大級の仏教遺跡。上空から見ると仏教の曼荼羅の形をしています。
曼荼羅は仏教界において聖域・悟りの境地・宇宙観を視覚的・象徴的に表したものです。
この曼荼羅の仏教的宇宙観によれば宇宙は三界に分かれ、俗界=人が棲む界、色界=神と人が交わる界、無色界=神々が宿る最高界に分かれています。
この曼荼羅の世界観を表すボロブドゥールを下から登ることは、罪悪に満ちた世界から、禅提に達した世界へと移っていくと考えられています。
ボロブドゥールには東西南北に4つの入口があり、頂上に至るまで階段と回廊が続いてます。
方形壇の回廊の窪みに432体、円形壇のストゥーパの中に72体、計504体の仏像が遺跡を見守っています。
実はこの数字、どの数字を足し合わせても合計「9」になるようになっています。「9」は無限を表す、恒久的な幸福の数字とする中国の宗教思想の表れがあります。
最上部のストゥーパからは、眼下に広がる神秘の大パノラマを望みます。この場所に立てば、誰もが神々の存在を信じることが出来るはずです。
もう一つの見どころが回廊に刻まれた美しいレリーフ装飾。ジャワ島で花開いた仏教美術のレベルの高さを伝えています。
1460面のレリーフに描かれた物語は、釈迦の生涯を描いた宗教画、天界でアプサラ神を取り囲み天使たちが音楽を奏でる様子、戦場に出かける戦士たちの様子など、内容も様々。その完成度の高さと優美さは仏教美術の最高峰です。
まるで生きているかのような躍動感あふれる登場人物たち。千年を経た今も、当時の人々の息吹を感じることが出来ます。
ボロブドゥールに緻密かつ壮大に描かれたレリーフ画はまさに天上のアートです。
回廊をひとつ上がるたびに守護神カーラの大きな口の中をくぐり抜けていくことで、巡礼者の災いや厄を飲みこんでくれると信じられています。
第4回廊から最後の階段を登ると急に視界がひらけ、ストゥーパが林立する広々とした、最後の円壇が広がります。
眼下には樹海が広がり、遺跡との雰囲気の違いに驚きます。改めて、なぜこの遺跡がこの場所に建てられたのか、壮大な歴史の謎に再び心ときめくはず。
円壇の中央に立つ窓のない大ストゥーパ。そこが「無の世界」であり、俗界から解脱した、幸福と平和を感じる天界です。
史跡公園では6時の開門前にボロブドゥールが見学できる日の出ツアーが行われています。まだ真っ暗な早朝にホテルを出発し、まだ人の少ない寺院の頂上へ一番乗り。日の出の時間になると東の空が明るくなり、樹海の彼方から太陽が登る姿が見えるはず。
朝の清涼で凛とした空気と、静寂と荘厳な雰囲気に包まれた寺院の上で迎える御来光は、とても感動的。
朝焼けに染められ、黄金に輝くボロブドゥールの仏塔やストゥーパは、天空の世界に迷い込んだような神々しい絶景。早起きをしてみる価値があります!
南国の情熱が生んだ壮大な仏教遺跡ボロブドール。遥かインド洋を渡り伝来した仏教文化は、南の果てのこの地で高度な芸術と美術を花開かせ、ボロブドールはその象徴となりました。
多くの謎に包まれたミステリアスな遺跡、仏教美術の崇高さと創造性、歴史から消えた王朝の足跡、そして探検家ラッフルズの野心とロマン。ボロブドールにまつわる数奇な歴史は旅人の好奇心をくすぐり続けます。
千年の眠りから覚めたボロブドールは、想像を遥かに超える神秘性と芸術性が今に蘇る、壮大な歴史絵巻。バリから少し足を伸ばして訪ねてみませんか?
アクセス
空港から車で1時間
営業時間
6~17時(無休)
入場料
25USD
注意事項
遺跡は盆地にあり、炎天下では40℃を超えることもあります。日差しも強いため、サングラスや帽子、水分補給など、日焼け対策が重要です。見学は、涼しい早朝または夕方がおすすめ。
また遺跡内は飲食禁止です。
ジョグジャカルタのもう一つの世界遺産、プランバナン寺院はのどかな田園風景の中、約5km四方に広がりいくつもの遺跡が点在する巨大なヒンドゥ寺院群。
寺院の中心部「ロロ・ジョグラン寺院」は、立体的で美しいレリーフに包まれた、高さ47mのシヴァ聖堂を中心に、神々しく連なった8つのお堂で構成。
天を衝く指すようにそびえ立つ壮麗なフォルムと緻密なレリーフの装飾を誇るプランバナン寺院は、ジャワ建築・美術の最高傑作ともいわれています。
9世紀当時にジャワ最大勢力を誇ったヒンドゥ国家・古マタラムを統治していた王は、当時ボロブドゥールを統治していた大乗仏教の王女と結婚。それによってプランバナン寺院は、ヒンドゥ文化と仏教文化が華麗に融合する世界最大のヒンドゥ寺院になりました。
それを物語るように古代インド抒情詩「ラーマヤナ」と「マハーバーラタ」を描いたレリーフや、ヒンドゥ3神を崇める塔など、ヒンドゥ教勢力を誇示する意匠が施されています。
プランバナン寺院には王と姫の美しいロマンスが秘められた伝説が残り、宗教や時代を超えた文化価値を持ちます。